住宅ローンを繰り上げ返済してはいけない理由

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住宅ローンを借り入れた人の中には

「住宅ローンは借金だから早く返さないといけない!」

とボーナスや毎月の貯金を繰り上げ返済に充てる人もいるかと思います。

それは、ハッキリ言うとオススメしません。

住宅ローンは借金とは言えども、返さないでむしろ借り続けるほうが良い借金なんです。

その理由について解説していきましょう。

現金という資産が減少し投資や消費の機会を損失するため

住宅ローンを繰り上げ返済するということは

現金という大事な資産を減らすという行為でもあります。

現金は数ある資産の中でも交換が最もし易い資産です。

この世の中にあるほぼ全ての商品やサービスは現金で購入できますし

株や債券、ゴールド、不動産などの資産にも変えることができます。

住宅ローンを繰り上げ返済するとこうした消費や投資の機会を放棄することになります。

住宅ローンの金利は現在0.5%程ですが

投資による収益はそれよりも遥かに大きいです。

どうしても繰り上げ返済をしたいのであれば投資をしてその利益から繰り上げ返済をしても十分かなと思います。

住宅ローンを繰り上げ返済すると団信のメリットが減る

住宅ローンは団体信用生命保険という

死亡時や高度障害時に住宅ローンの残債がゼロになるという保険があります。

繰り上げ返済をするということはこの残債を減らしてしまう行為であり

せっかくの団体信用生命保険のメリットを激減させてしまいます。

団体信用生命保険でチャラになる金額が減るからですね。

繰り上げ返済をして団体信用生命保険で受け取れる保険金を減らしているようなものです。

繰り上げ返済をするよりも、月々の支払いを少なくしてできる限り残債を積み上げておくほうが

合理的なのです。

その点ではボーナス払いも必要ないともいえます。

特に住宅ローン控除期間中は繰り上げ返済NG

特に一番やってはいけないのが、

住宅ローンを借り入れてから13年間適用される住宅ローン控除期間中の繰り上げ返済です。

住宅ローン控除とは年末時点での住宅ローンの残債×0.7%を控除する素晴らしい制度です。

仮に3000万の残高があれば最大21万円の控除が受けられます。

(実際には住民税の控除には上限があるので控除額は15万円ほど)

それが繰り上げ返済を300万して残高が2700万だと最大控除額は約19万円に減ってしまいます。

つまり繰り上げ返済をするということはこの住宅ローン控除による還付金額を減らしてしまう行為なんですよね。

お金を払って還付金額を減らしているなんで無駄なことはしないように。

【まとめ】低金利であるうちに繰り上げ返済ではなく資産形成にとりかかろう

繰り上げ返済はするべきではない、とは言っても

ただ繰り上げ返済をしないで何も対策を打たないのは良くありません。

今後の金利上昇による月々の支払い増加に備えて

普段から資産運用に取り掛かるまでがセットです。

住宅ローンを低金利で借りられているうちに資産運用でリターンを得ながら

資産形成をしていくのが良いでしょう。

住宅ローンの支払いは最低限に、手元の現金は最大限にしていきましょう。